統計検定1級 応用 人文科学対策
はじめに
2022年11月20日に実施された、統計検定1級の試験を受けました。
結果は、数理統計は不合格、応用分野の人文科学は合格、でした。
2022年の人文科学の問題は、問題自体の難易度はそこまで高くなく、準一級に出る内容と大差ないように感じたのですが、計算量がかなり多かったです。クラスタリングや判別分析の手計算がかなり大変でした…。
他のブログですと、数理統計分野の攻略について触れられている記事はありましたが、人文科学分野の分野に限定して勉強方法の話に触れられている記事はあまりなかったので、まとめていきます。
私のレベル感については以前の準一級の記事で書いているので詳細はそちらをご確認頂きたいのですが、理系であるものの数学は特に得意という訳ではなく、統計検定準一級を保有していて、RやPythonはほどほどに触れるレベルです。
勉強方法
2016 ~ 2019年の4年分の過去問をしっかり解き、2014, 2015年の過去問もサラッと確認しました。因子分析は良く出ていたので、注力して解きました。
正直、応用分野にはそこまで時間をかけておらず、統計数理は約100時間~、人文科学は約30~50時間、くらいの勉強時間だったような気がします。
利用した教材
人文科学分野の学習に利用した書籍は下記です。
これから受験される方は、下記の3種類の書籍を中心に学習するのが良いと思います。
公式の教科書
出題範囲を理解するイメージで利用しました。説明は深くはないですが、広く浅くトピックを理解するには良かったです。
項目反応理論は1級の人文科学分野ならではの範囲ですが、この本を理解したうえで過去問を解けるようにしておけば十分に感じました。
過去問
・日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2018〜2019年]
・日本統計学会公式認定 統計検定 1級・準1級 公式問題集[2016〜2017年]
因子分析やクラスタリングは頻出ですが、基礎理論を学んだあとに過去問に出ている問題を解くことで、だいたいの問題には対応できるようになると思います。
・日本統計学会公式認定 統計検定 1級 公式問題集[2014〜2015年]
2014~2015年は明らかに問題の難易度が高いですが、一応ざっと解きました。
難しいですが、解説はあるので助かります。こちらは余力があればでやるくらいで良いと思います。
(この年だけ書籍のサイズが小さく、少し安いので買いやすいです。)
準一級のワークブック
・日本統計学会公式認定 統計検定準1級対応 統計学実践ワークブック
ワークブックは、問題と解説が複数ついているのでおすすめです。主成分分析・因子分析・回帰分析あたりを振り返りました。既によく理解されている場合であれば不要かもしれませんが、基礎理論の振り返りに有用でした。お持ちの方は、是非振り返りに利用してみてください。
統計応用 人文科学分野の傾向について
過去問を6年分見ましたが、因子分析・主成分分析が多く出ている印象です。
項目反応理論もたまにでますが、過去問で出題されていた問題は、公式の教科書の内容のみ抑えておけば解ける問題ばかりでした。教科書内の問題を完璧に解けるようにしましょう。
因子分析は2016年の問1、分散分析は2017年の問2、などが良問だと思います。
2022年の試験は、難易度はすごく高くはなかったですが、計算量が多かったです。問題のレベルとしては、準一級でも出ているような問題と大差がなかったですが、問題を速く正確に解くクセはつけておいた方が良いです。
過去問と全く同じような問題も一部ありました。過去問を解いている中でも感じたのですが、人文科学分野は、過去問と似たような問題が出る事が多いです。作成側も問題を出し尽くしてきてしまっているのでしょうか。
そう考えると、非常に対策のしやすい分野だといえます。
応用分野で特にこだわりがない方は、対策のしやすい人文科学分野を選ぶのがおすすめです。
おすすめの参考書、勉強方法
準一級までの内容がしっかりと頭に入っている方は、教科書と過去問だけで足りると思います。
多変量解析法入門は、和からさんのサイトで進められていたので購入したのですが、問題の難易度が高いのと、解説もほとんどないので、僕は利用しませんでした。これをやるなら、2014~2015の過去問をやった方が良いと思います。
2023年の受験対策時には、2021~2022の過去問も出ているので、2016 ~ 2022年(2020年はなし)の6年分の過去問をやれば十分ではないかと思います。
まとめ
最後に、本記事のまとめです。
・応用分野の選択は、特にこだわりがない方は人文科学分野を選ぶのがおすすめ。統計数理分野と比較すると難易度が低く、準一級レベルで計算量が増えた程度なので、準一級を取得している方には特におすすめ。
・人文科学分野に限って言うと、「教科書」、「過去問」、「ワークブック」をやるのが良い。多変量解析方入門は、この試験の対策としては重要度低め。
2023年は数理統計の合格を目指します…